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こんにちは。サロン・ド・キッチン北須磨の西谷です。
先日、春の陽気に誘われて、午後から神戸市垂水区にある五色塚古墳に外出(屋外歩行訓練)しました。
サロン・ド・キッチン北須磨からは30分弱のドライブで、無料駐車場に到着。車から降りると同時にご利用者様には、二本ポールをもっていただき、
ノルディックウォークで歩きだします。
五色塚古墳は、名前だけは聞いたことがあったり、電車だと垂水辺りで少し顔をのぞかせているので知らない人は少ないかもしれませんが、今日のご利用者様は皆さん古墳に登ったことはないと言われていましたので、じゃあ登りましょうということで、100段ぐらいの階段をノルディックウォークで登っていただきました。
サロン・ド・キッチン北須磨では、日々ノルディック・ウォークで歩行訓練を行っていますので、階段を登るときも、2本ポールをしっかり支えに使って、安定して登り降りすることができていました。慣れない人は、階段で二本ポールを使うのは危ないのではないかとひやひやするかもしれませんが、特に下りの時には、ポールを思いっきり伸ばし使用することで、下の段に無理なくポールをつくことができるので、手すりをもつのと変わらない安定感で階段を降りることができます。
さて、話を戻しますが、そうやって、自らの足と手(2本ポール)で、階段を登って、古墳の上に立つと、目の前に明石海峡・明石大橋・淡路島の美しい風景が広がります。特段高い場所でもありませんが、古代のロマンを感じて自らの足で歩き初めて見る景色は、小さな感動が繰り返す波のようにご利用者様の体に沁み込んでいくようでした。「こんなところに来れてよかった」「すごい数の葺石だね」「昔は海からこの古墳を見たら輝いていただろうね」。心も解放されて、とてもいいお顔をされていました。
サロン・ド・キッチン北須磨の皆さんは、昔は外国にも行ったり、あちこち旅行された方が多いですが、それでも年を取ると「最近はどこにも行ってないわ」という方が少なくありません。たくさんの旅行の思い出も、心の奥深くにしまい込まれていて、思い返すことも少なくなっておられます。しかしこれはとてももったいないことだと思います。
サロン・ド・キッチンでは、認知症予防のために「過去」を大事にしています。過去の思い出を振り返ることは、脳(特に記憶や感情を司る海馬や前頭前野)を活発化させるため、認知症予防に非常に効果的です。
この取り組みは「回想法」と呼ばれ、脳の血流量を増やし、感情を安定させる働きがあります。
回想法は、瞑想のように、じーっと座って一人出来るものではありません。回想のためのヒントやきっかけが大変重要です。
過去の旅行の思い出を回想してみましょう、と言ってもそうそう簡単に出てくるものではありませんが、今回の五色塚古墳のように、ちょっとした新鮮な体験がきっかけとなり、昔の旅行の思い出がありありと蘇ってくるということがあるのではないでしょうか。
認知症予防や介護予防、介護の中で「残存機能の活用」ということがよく言われますが、過去の思い出は、使い方によっては大変強力な残存機能になります。自らの人生の肯定感、人とやさしくつながる安心感を高めることは、高齢者の前向きな(改善)可能性を助長するものであり、『自分らしさ』を保持し、自らの尊厳を守るためにがんばろうという気力を生むことにつながるのだと思います。
私は昨年、このサロン・ド・キッチンを作るにあたって株式会社のどのを設立しましたが、「株式会社のどの」の理念は、
「coloring the past] つまり過去を彩る、です。
語弊を恐れずに言えば、高齢者の介護にあたっては、
未来を彩るよりも、過去を彩る方が、幸福感が高まるのではないか、と私は考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。